株式会社伊藤園
2008年7月29日(火) 午前10時
品川 グランドプリンスホテル新高輪 地下1階 飛天
議決権を有する株主数: 66,431名
開会時点の出席人数: 座席数約1,900がほぼ満席で第2、第3会場も設営
フリードリンク: ロビーで各種自社製飲料の紙パックから選択
会場内でお代わりサービスも
総会の前: PRビデオ上映
事業報告: スライド、ナレーション使用(ほぼ報告書朗読)
発言者: 21名
所要時間: 2時間36分
お土産: 天然ミネラルむぎ茶 ティーバッグ 1l用20袋入
プレミアムティーバッグ 1袋で2杯分 20袋入
お~いお茶 ほうじ茶ティーバッグ 20袋入
会場入り口で冷たいおしぼりのサービス。今年初めての試みのようだし、他社の総会でもあまり例がないのではないか。
ここ数年順調な業績が続いた当社だが、2008年4月期は何とか増収こそ確保したものの、原材料高騰、販売競争激化に伴う販促費増、エネルギーコストの急騰などの影響で減益。
--取締役22名は多過ぎる。報酬の負担も大きいのではないか。
「ルートセールスをやっているためどうしても営業担当の役員が多くなる。人数は多いが役員報酬の総額は他社とあまり変わらない」
--優先株は市場にまったく受け入れられていない。なぜ発行したのか。
「優先株を発行した理由は以下の3点である。
(1) 消費財を扱っている企業として、個人投資家の選択の幅を広げ、個人株主を多く作りたい
(2) 米独伊などでは、すでに時価総額の10%程度の優先株市場がある
(3) タリーズその他買収した企業の将来の成長に必要な資金を調達するため。優先株の公募増資で得た資金でタリーズが発行していたコマーシャルペーパーを返済した
一方、優先株不振の原因は以下の4点と考えられる。
(1) 日本では初めての種類株で認知度が低い
(2) トピックスに採用されていないため年金等機関投資家のインデックス取引の対象にならない
(3) 証券コードが5桁のため株価の検索ができなかったり、機関投資家のシステムが4桁コードの銘柄しか発注できなかったりする
(4) 規約上、種類株式への運用ができない機関投資家がある
しかし個人株主比率が、普通株は30%なのに対し、優先株は40%であり、外人株主の比率も優先株の方が高いなど、すでに効果が出ている部分もある。今後何とか問題点を解決して、両者のかい離を小さくしていきたい」
--損益計算書によると多額のたな卸資産廃棄損を計上しているが、これらの品をホームレスに食料を提供しているNPOなどに寄付したらどうか。
「これまで実行したことはないが、今後の検討課題としたい。
前期は特に廃棄損が多かったが、今後は廃棄そのものを少なくするよう努力する」
--防腐剤であるビタミンC無添加の麦茶に力を入れ、ビタミンC抜きの緑茶も開発してほしい。
「ペットボトルの常温流通を前提とした場合、ビタミンC抜きの緑茶は技術的に難しい。なおビタミンCは防腐剤とは認識していない」
--海外への具体的な展開状況はどうなっているか。アメリカだけでなく、豊富な剰余金を活用して中国での販売などに乗り出すべきだ。
「2001年にニューヨークに会社を設立し、翌年中心街にレストランとティーショップを開設、ティーショップは7年連続ザガットの1位になった。当社がアメリカに力を入れているのは、米国人が太り過ぎで無糖の緑茶を必要としていることと、戦前すでに日本から米国へかなりの茶葉輸出実績があり、もともと緑茶を飲む習慣があったのが第二次大戦でなくなってしまったので、これを復活しようとしているのである。幸い今年は黒字化するものと予想されるので、新しい地域に進出すべく準備中である」
--今年度第1四半期(5~7月)の実績はどうか。
「5、6月はすでに新聞発表したが、正直言ってよくない。7月は現在進行中であり、ここで話すとインサイダー情報になるのでいうわけにはいかないが、ご存じのとおりの猛暑であり、一般に気温が26°から30°の間は炭酸飲料が売れ、30°を超すと無糖飲料に移るといわれていることからご想像いただきたい。
私がこんな元気な顔をしているのを見ても分かるでしょう」
--上場企業なのに役員候補に社長の同族が多過ぎる。
「伊藤園は実力主義を貫いている。同族でも能力のないものは採用しない」
優先株発行を株価下落の元凶として役員の結果責任を問う声が多く出たが、最も重大な戦犯は5桁のコードを割り当てた東証ではないか。
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コメント
同属はクビにすべき
投稿: | 2011年4月 8日 (金) 13時39分